「ドライブスルーデート」って知ってる?本当にあった最悪のデート体験談

「やられた…!」
私、ほなみん(@honamin_____)はそう思った。
デート相手が待ち合わせ場所に現れない。

1日待ったがヤツは来ない。メールも電話も無視されているので連絡も取れない。待ち合わせをスルーされてしまったのだ。
しかし戦略もなしにヤツとのデートに挑むとは、我ながら浅はかであった。
え?なんでこんなことになっているかって?
説明しよう。あれは1ヶ月前の話だっただろうか。
ある日、ジャンプ力に定評のある前田という男からメッセージが送られてきた。

作品例:ハロウィンにワレモノのコスプレをしたら死体と間違われた
彼から届いたメッセージはこんな内容だった。

デートの内容は、全てのものをスルーするデート。
このときの私は何を思ったのか「楽しそう」なんて言っているし、軽い気持ちで「おっけい!」と返事をしてしまった。
このときはまだ、人生史上最悪のデートになるとは知る由もなかった。
デートをすっぽかされた翌日。私は悔しい気持ちでいっぱいだった。
ヤツは普通に待ち合わせ場所に現れるような男ではない、ということは噂に聞いていたからだ。
そんなとき、ひょんなきっかけで『ジャンプ力に定評のある前田が白い車で福岡中央区役所に向かっている』との情報を手に入れた。
なので私は、待ちぶせして捕まえることに決めた。
数時間は待っただろうか。
ついに、前田が乗っているとおもわしき白い車を見つけた。
おそるおそる車を覗いてみたところ、ヤツがいた。ビンゴだ。
逃げられないよう、なるべく冷静を装って車に近づいた。
そして満面の笑みで車に乗り込んだ。『前田ちゃん、見ぃ〜つけた!』と言いながら。
前田は私が現れることなど予想もしていなかったはず。
さぞかし恐怖を感じていることだろう…と思っていたのだが、予想に反してヤツは冷静だった。
私を見るなり憎らしい笑顔でこう言ったのだ。
『誰ですか?』と。
待ち合わせだけではなく、存在までをもスルーされてしまったのだ。なんたる屈辱。
こうして、私たちのドライブスルーデートがはじまったのだった。
待ち合わせをスルー
「さて。昨日はデートをすっぽかして何をしてたのかな? 」
「昨日ですか?1日中ゲームをしていました。」
「私たち待ち合わせしてたよね?」
「ドライブスルーデートは全てのものをスルーするデートですよ?待ち合わせなんてスルーするに決まってるじゃないですか(笑)」
「やはりそういうことだったか。」
ジャンプ力に定評のある前田、ペーパードライバー
「それでは、ドライブスルーデートに行きましょうか!」
「レッツゴー!…あれ?出発しないの?」
「エンジンがかからなくて… 実は、免許を取ってからほとんど運転したことないんですよね。」
「どうしてドライブしようと思ったの?」
『行きたくない』という意見をスルー
「ほなみんさん、どこか行きたいところはありますか?」
「喉が渇いたから、カフェに行きたいな。さっきまでスタバにいたからスタバ以外の場所で。」
「わかりました!」

「ねぇ、私スタバ行きたくないって言ったよね?」
「そうなんですけど、スタバへ行くことは元々決まっていたんですよね。」
「嫌がらせなのかな?」
「自分がされて嫌なことを人にする。それが僕のモットーなんですよね。」
ドライブスルーデート3つのメリット

「「あらゆるものをスルーするデート」って言ってたから、注文せずにスルーするのかと思ったよ。安心した。」
「さすがにそんなことはしませんよ、紳士なので。」
「紳士は待ち合わせをスルーしたりしないよ。ところで、どうしてドライブスルーデートをしようと思ったの?」
「ドライブスルーデートは2人の距離を縮めるにはぴったりなんですよ。まず、ずっと車に乗っている状態なので駐車が下手なことがバレません。」
「え、車から降りないの?」
「降りません。ドライブスルーデートなので。」
「そして、車から降りる必要がないので気軽に色んな場所を素通りすることができますよ。」
「帰りたくなってきた。」
「ほなみんさん。ちょっと喉が渇いたので、コーヒー飲ませてもらえませんか?」
「はい、どうぞ。」
「これが1番のポイントなんですけど、ドライブスルーデートではごく自然にイチャイチャすることができます。運転中は気軽に「食べさせて」とお願いできるところがいいですよね。」
「次の目的地は糸島なので、行き方を調べますね。」
「ありがとう!頼りになるね。」
「ほなみんさん、大変です。Siriに「糸島までの行き方」を聞いてみたところ「1年前の行き方」が出てきたので糸島にたどり着くのは難しいかもしれません。」

「おもしろそうだし、1年前の方向に行ってみようよ!」
「1年前に行くなんて無理に決まってますよね(笑)頭悪いんじゃないですか?」
「(このクソガキめ)」
「一蘭の森」をドライブスルー
「前田ちゃん、私お腹すいちゃった!ラーメンが食べたい気分だな〜。」
「きっとそう言うと思っていたんで、ラーメン工房に来ましたよ!」
「やったぁ〜!はじめて前田ちゃんのことステキだなって思ったよ。」
「え?行かないの?」
「もちろんです。ドライブスルーデートなので。」
「私のラーメンは?」
「さぁ、次はサンセットを見に行きましょう!」
お手洗いに行かせてもらえない
「前田ちゃん。お手洗いに行きたいな。」
「あいにく、ドライブスルーデートなので車から降りることは許されません。」
「ねぇ。どうして嬉しそうな顔してるの?」

「心配しなくても大丈夫ですよ。もし漏らしてしまったときには「あぁ、漏らしちゃったね」とだけ言うので、安心してくださいね。」
「それ以外の選択肢は?」
「ひとつだけありますね。オムツを通りすがりに助手席から投げ入れてもらうという選択肢が。」
「なるほど!さっそくツイッターで呼びかけてみよう。」
ドライブスルーデートをやらされているのですが、お手洗いにも行かせてもらえません。
どなたかオムツを通りすがりに助手席から投げ入れていただけませんか
— ほなみん/愛され図々力 @宮崎 (@honamin_____) 2018年4月10日
「ダメだ、反応がない。フォロワーさんにまでスルーされてしまった…」
「おとなしく諦めてください。」
糸島の絶景スポットをスルー
「うわ〜すっごいキレイな景色!ちょうどサンセットの時間だね。写真も映えそうだし、ちょっと降りてみない?」
「・・・」
「ねぇ、聞いてる?」
「・・・」
「ちょっと!話しかけてるんだけど!」
「・・・」
地獄のドライブスルーデートが続いた
その後も、温泉におしゃれなカフェ、空港に公園など様々な場所をスルーした。
ドライブスルーデート中は何も食べられず、お手洗いにも行けず、希望は何ひとつ聞き入れてもらえず、話は無視され、自分の意思で帰ることさえ許されなかった。
ジャンプ力に定評のある前田。
彼は関わってはいけない人間だったのかもしれない。
今後は彼のような人間のことはスルーしながら生きていこう。
私はそう胸に誓った。
ほなみん( この記事を書いた人 )
ツイッター:@honamin_____
ブログ:可愛いは正義なり
ジャンプ力に定評のある前田( 出演 )
ツイッター:@jumpmaeda
ブログ:俳人のジャンプ力に定評のある前田が俳句を詠むブログ
ミニマリストしぶ( 撮影 )
ツイッター:@SIBU__
ブログ:ミニマリストしぶのブログ
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