どこでも絵を描きたい人による、iPad Pro10.5レビュー

「絵を描く」ことを、子供のころからやってこなかった人は少ないでしょう。
だって紙と鉛筆があれば、絵はどこでも描けてしまうのですから。
だから私にとって、絵を描くことは気楽でないとダメなんです。
※ ※ ※ ※ ※ ※
はじめまして、お絵かきライターのしーちゃん(c_gotta2)です。
主にtwitterを中心に絵を発信し、イラストやライティングのお仕事をしています。
私にとって描くことは「息をするように」自然なこと。
言葉が通じない外国に行っても、絵を描いて見せると分かり合えることがある。
高校生のころオーストラリアに短期留学しました。その際日本の有名なアニメキャラクターを描いたら、たちまち子供たちのヒーローになりました。モテてモテてしょうがなかったです。
どこに行っても描くことのできる絵の偉大さを改めて感じた瞬間でした。
ですがいま。日常生活で目に入る絵にはほとんど手描きのものはなく、
大抵デジタルデバイスで描かれています。
例えばアニメ。
あどけない幼女から渋い初老の男性まで、 さまざまなキャラクターが画面の向こう側で動いているのを見るとその画の精密さ、色の美しさに感心してしまいます。
こうした画面上に見る絵はいわゆる「デジタル絵」。
手持ちの紙に描いた絵は
色鉛筆を使ってみたり絵具を使ってみたり、
どう画材を変えて頑張っても画面の向こう側のキャラクターのような発色にはなりません。
こちらにニッコリ微笑みかける可愛らしいヒロインを見て
「あんなふうに仕上がるデジタル絵を描いてみたい…」
と、特に絵を描く人間なら必ず憧れるはず。
「デジタルで絵を描くには」
とGoogle検索してみると、板タブや液タブといった「ペンタブレット」がヒットします。
でもそれを使うには良いスペックのパソコンに接続しなければならず、ある程度の通信環境が整えられていなければならないみたい。
…そんな費用の余裕はないです。
用意したとしてもノートやデスクトップ型のパソコンを脇に、さらにペンタブレットを使用するのはとても窮屈で場所を選びそう。
……そんな場所の余裕はないです。
「紙と鉛筆があれば描きたいときにどこでも描けるのが、絵」
であるはずなのに、
どうやらデジタル絵になるとどこでも描けなくなってしまうようでした…
困った!
でも、
でも、
ウチはデジタル絵を描きたいんやああああ!
つい関西弁になるほど思い続けて、数年は経ちました。
その叶わないと思っていた憧れを…
叶えてくれたものがあります!
じゃじゃーーーーーん!
リンゴと黒のタートルネックで有名な?Apple社が販売している、iPad Pro 10.5。
今回、私は絵を描くために手に入れたため、
iPad Proにおける自分のお絵描き使用感
についてレビューをしていこうと思います。
私のようにデジタル絵に憧れ、気軽に描いてみたいと思っている方の背中をおします!
iPad Pro10.5の基本的なこと
まずはiPad Pro 10.5の基本的なことと特徴をお伝えします。
iPad Pro 10.5はiPad Pro 9.7の後継機種。画像の左が10.5、右が9.7です。
全体的に大きくなっていながら、
よく見れば画面を囲うふちの太さは9.7より細い。
大画面使用を追求するApple社の努力を感じさせます、素晴らしい!
素晴らしいです、ジョ◯ズさん!!
スマホの画面とはまったく違う大画面と表示画像の鮮やかさにほれぼれ。
カラーは4種類から選べ、今回わたしが手にしたiPad Pro 10.5 はシルバーでした。
ところでまったくデジタルデバイスに知識がなかった私。
iPad ProとiPadは同じものだと思っていました。
「性能の差はあるけど、似たようなこと出来るものなんじゃないの?」
…と。
違いました。
iPad Pro の最大の特徴は、Apple Pencilが使えるということです。
iPad Pro×Apple Pencilは最強
Apple Pencilの使用、無印のiPadにはその機能はありません。(※2018年3月28日リリースの第6世代iPadはApple Pencil使用が可能になりました)
Apple Pencil はペン型の入力デバイスです。
iPad Pro本体とBluetoothで接続し、使用します。
ProMotionテクノロジーという技術が搭載されていて、画面に触れたペン先は1秒間に240回もの速さでスキャンされます。
そのため画面上に出力されるペンの軌跡はタイムラグがほとんどありません。
つまり、ペン先が触れた瞬間から線が画面上に現れるので、
感覚としては本当に紙に文字を書いているように思えます。
これはアナログ絵を描きなれている私にはとても扱いやすくて嬉しいポイントです。
筆圧感知機能により、力の入れ具合で文字の太さを変えることができます。
わかりやすいのが、お絵描きアプリの筆ツールを使ったとき。
筆文字のような、細い太い部分を自在に表現できてしまうのです。 力加減を慎重にすれば、細かい文字も正確に書くことが可能です。感動。素晴らしい。
素晴らしすぎます、ジョ◯ズさん!!
スワイプや簡単な線画だけなら似たようなタブレット端末と100均タッチペンでも事足ります。
ですが自在な手書き感を求める場合、
iPad ProとApple Pencil は最高かつ最強の組み合わせといえます!
紙に描くことに慣れている人には本当に本当に本当におすすめ!
ところで私の父は技術屋で、ペンタブで有名なWacomにも勤め開発職をしていた時があります。
その父にApple Pencilを試してもらったところ、
「Wacomとは描きあじは違うが、相当レベルが高い」と感心していました。
アナログ絵描きの私が望んでいたこと
まずデジタル絵を描くツールに私が求めていたものをあげておきます。
- 物が多いのが嫌いだから場所をとりたくない。
- 手描きと同じようにガンガン描きたい。
- 必要な器具は少ないほうがいい。
- 絵はどこでも描ける派だから、さまざまなシーンで作業したい。
- バッテリーが長持ちしてほしい。
iPad Proが応えてくれたこと
- 物が多いのが嫌いだから場所をとりたくない。
→机の上にノートと鉛筆を置くのと同じくらいのコンパクトさ。 - 手描きと同じようにガンガン描きたい。
→鉛筆のようなApple Pencilのおかげで紙に描く感覚で扱える。非常に使いやすい。デジタルの利点として描き直しが簡単で色塗りもざっくりぬれるのでアナログよりガンガン描ける。 - 必要な器具が多くないか。
→基本、iPad Pro本体とApple Pencilだけでファイルの保存から送信、web上のアップまで事足りる。ただし保護のために別途でケースなどは用意したほうがいい。 - さまざまなシーンで作業できるか。
→出来る。立っていようが座っていようが寝転んでいようが、自由自在。 - バッテリーが長持ちするか。→内蔵アプリ、使用アプリによる。
詳しいことをさらに書いていきます。
①場所をとらないか。
10.5インチはA4サイズをふたまわり小さくしたような大きさです。
薄く、軽く、保護のためにカバーをつけても持ち運びやすい。
A4ファイルが入るカバンなら余裕ですっぽり。
必要スペースは机の上にノートを置くのと変わらないです。
机がなければひざの上に乗せられるし、
まっっっったく広い場所を必要としません!気楽!
②手描きと同じようにガンガン描きたい
可能です。はじめのほうにApple Pencilについて触れましたが
これが非常に素晴らしい。
本当に文房具の一種のように感覚的に扱えるので、
「パソコン関係、難しそう~…」と思いがちの人にも安心です。
ただ、ガンガン描けるので毎日何時間も使ってしまうと…
ペン先がすり減ります。
左が「新品のもの」、右が「私が使い過ぎたもの」です。
摩擦でやっぱり削れていくんですよね。
ペン先に感知させる機能が搭載されているから、すり減ると反応が鈍くなって、持ち方を工夫しなければ線がiPad上に現れなくなります。
そういう時は替え芯(別途購入)。
先端部分はボールペンやシャーペンのようにくるくる回すと取れます。
そして新品のものにつけかえると…
はい、復活!!!!
これでまたガンガン描けるぞ!!!!!
ちなみに替え芯は小さいくせに何気にお高いので出来るだけ大事に長持ちさせましょう…。
③必要な器具は多くないか。④さまざまなシーンで作業が出来るか。
③と④をまとめたのは、「気軽に、自由自在に使い倒せる」ということを協調したいためです。
いわゆるペンタブを使ったデジタル絵描きには、
ペンタブとパソコン、それをつなぐコード、スタイラスペンが必要です。
必要器材は多いし大きい。机の上にちゃんと置いてあげるしかない。
しかしiPad Proに必要なのはApple Pencilだけ。
そう、この2つあれば十分!
といっても精密機器なので、別途で保護カバーは用意することをおすすめします。
付属品をつけたとしてもコンパクトなのは変わらず、どこにでも一緒に持っていけます。
電車の移動時間や学校の休み時間にちょっと取り出して描いたり。
床やソファやベッドの上でゴロンとリラックスしたまま描いたり。
紙をひろげて描くような気軽さです。
それでいてデジタルなので下書きや描き直しが消しゴム要らずでカンタン。
ただのお絵かきツールではなくタブレットとしての機能があるのでデータとして残せ、すぐにWeb上にアップも可能。Twitterにばんばん載せられちゃう。
ブログのアイキャッチも、漫画も簡単に作れます!
▼私のブログの様子
いちいちデータをパソコンに取り込んで読み直して…
なーんて手間をかけずに、描いた絵がすぐに使えるのは便利です!
④バッテリーは長持ちするか。
こればっかりはインストールするアプリや作業内容によるからなんとも言えないですが、少なくともすぐに切れることはないです。(当たり前)
ただApple Pencilも充電が必要で、
iPad Proの充電が切れていなくてもApple Pencilの電池が切れているため反応しないこと
があるので要注意です。
Apple Pencilの充電は買ったときについてくる小型の部品を通常のiPad Proの充電器に接続して行います。
Amazonで検索するとApple Pencil専用のスタンド充電器もあるようでした。
※ ※ ※ ※ ※ ※
場所を選ばず自由に使える。
必要であれば付属品を自分の好みで揃えていけばよく、非常にシンプル。
iPad ProとApple Pencilで描くデジタル絵は、たしかに色の塗りかたはデジタル特有の練習が必要ですが、パソコン慣れをしていなくても限りなくアナログに近い感覚と温度感のまま絵が描けます。
はじめてデジタルデバイスに触れ、なんのやり方もわからないままのわたしでも、
iPad ProとApple Pencilのおかげでこんな絵が描けてしまいました。
▼初めてiPad Proで描いた記念すべき1枚
正直、線がいびつでもデジタルを通すと上手く見える。とても楽しい。
▼1ヶ月後、なんとなく慣れてきた1枚
気軽に描き始められ、それでいて気分は一端のイラストレーター。
だからどんどん夢中になれます。
お絵描き使用感をズバリ言おうとすると…そうですね…
最高。
この一言に尽きます。
もうこれ以上何を言えっていうんですか、ジョ◯ズさん……
もし
「デジタル絵を描きたいけれど、なんだかペンタブは敷居が高そう…」
と思っている方がいたら、ぜひともiPad ProとApple Pencilの購入をすすめます。
「こんなに気軽に憧れていたデジタル絵が描けてしまう!」
「早く出会っておけばよかった!」
買って後悔したという話は聞いたことがないし、手放せなくなることは間違いないです。
Apple PencilでiPad Proの画面をなぞったときの感動と
自分の絵が憧れのデジタル絵になっていくワクワク感。
1人でも多くの人に体験してほしい…!
気になり過ぎたらまず近場の電気屋さんに駆け込んで、試してみて…!
紙と鉛筆で描いていたあなたの絵の世界を
iPad ProとApple Pencilを通して、
今度はデジタルの世界に広げてみてはいかがでしょうか。
もっと可能性が広がっていきますよ!
おわり。
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