ZOMBIE HOUSE-2nd week-

前回のあらすじ
和歌山の豪華な家に若者たちがぞくそくと集まってくる。
そこに住人としてやってきたのはゾンビである鎖掛(くさりかけ)ゾビエルだった。
しかし、彼がゾンビであることは、ほかの住人はおろか、番組ディレクター、さらには本人すらも気づいていないのであった。
ディレクター:あの…お話し中すみません…
鎖掛ゾビエル:どうしました?
コリドール玲奈:またヤラセで台本読ませようとしてるんですか?
ディレクター:いや…そういうわけじゃなくて演出なんですけど…話す場所を変えてほしいんですよね…
コリドール玲奈:ディレクター!やっぱ変ですよ!普通、車のトランクに座ってしゃべらないですよ!
ディレクター:うん。俺もおかしいとは思ってる。でもトヨタがスポンサーなんだよ!芸能人のコリドールさんなら分かってくれるでしょ!
コリドール玲奈:まあ…でもわざわざ海に背向けて誰かとしゃべらないですよね?私たち今、駐車場しか見えてませんよ?
ディレクター:映像的にはこっちがきれいだから!
コリドール玲奈:絶対さっきのベンチでもよかったでしょ
ディレクター:「ベンチ」って「ベンツ」と似てるからトヨタ的にまずいかなと思って…
コリドール玲奈:なるほど…ってかもう私たちが行きたい場所行ってもいいですか?
コリドール玲奈:ディレクター…もしかしてスズキってまずかったですか…
ディレクター:うん。トヨタ的に「スズキ」は控えてほしかった。
コリドール玲奈:ゾビエル…そういうことらしいから一応気を付けよっか…
ディレクター:コリドールさん。あなたもです。さっきの映像見返してみてください。
コリドール玲奈:どこか問題でも…
ディレクター:過密、ビシビシ…かみつびしびし…
コリドール玲奈:三菱!?
ディレクター:そう。次から気を付けてね。はい。じゃあカメラ回します。
ディレクター:ごめん…ちょっとコリドールさんこっちに来てもらえますか…
コリドール玲奈:またスポンサーのトヨタ的にNGなメーカー名出てました?
ディレクター:会う日!
ディレクター:会う日…つまり「会うday」
コリドール玲奈:しまった!!アウディ!外国のメーカーも気を付けないといけないんですね…
ディレクター:そう。あと、外国つながりで気を付けてほしいことがもう一つ。この番組がネット番組としても世界に配信されてることは知ってるよね?外国人から見て日本人の恋愛ってどう思う?
コリドール玲奈:私たちからすると見ていてもどかしいですよね。
ディレクター:君が今、そんな状態だよ。ディレクターとして番組の海外ウケのために、そして君のためにも言うけど「いつか」に保障はないよ。桜子さんだってゾビエルさんを狙っているんでしょ?
コリドール玲奈:確かに…
ディレクター:好きなら今、「好き」って伝える!一緒にお昼ご飯食べただけで帰らずに、夜も一緒にどうか誘ってみる!
コリドール玲奈:でも事務所が…恋愛を
ディレクター:確かにこれがばれて事務所をクビになるのは芸能界では「死」を意味する。でも、その覚悟はあるってさっき言ってたよね。
コリドール玲奈:…分かりました。ありがとうございます。私、頑張ります!「好き」って伝えて、夜も誘ってみます!
ディレクター:うん。もうカメラ止めて邪魔しないから頑張って。じゃあ、ゾビエルさんのとこに戻ったらカメラ回すよ。
コリドール玲奈:はい!
ディレクター:(がんばれっ…)
ディレクター:(いきなりすぎる!!)
ディレクター:(いいんかい!!)
ディレクター:(いい感じ!あとはデート続けてディナーでも彼と一緒に食べて帰ろう!)
ディレクター:(そう!)
ディレクター:(それは急すぎる!!)
ディレクター:(どっちも肉食系だった!!)
ディレクター:(こいつら…美しい海に謝れ!)
ディレクター:(なにを見せられてるんだ…)
ディレクター:(ハッ!問題ナッシン…ローマ字でNASSIN…逆から読むとNISSAN!!!)
ディレクター:(ハッ!このときも…)
ディレクター:
(「反動」…HANDO…入れ替えるとHONDA!!!!
そして
「初だし」…HATUDASI…入れ替えるとDAIHATSU!!!)
ディレクター:(ハッ!このときも…)
ディレクター:
(「微妙(笑)」…BIMYOU(笑)…BiMyou(Warai)…BMW!!!!!)
ディレクター:(トヨタさん!頼むからスポンサー下りないでくれ!!)
第三話につづく
もう一捻りかな。