ZOMBIE HOUSE-1st week-【連載】

と、家にいるはずの誰かを探していると、洗面所の鏡に目が行く
安心したのもつかの間、今度は「ギー」と扉を開ける不気味な音が聞こえてくる
雪乃、恐る恐る洗面所の外へ出ようとする。
しかし、外には誰もいない。
かと、思いきや
はい!カットカット!
ディレクター:落葉さん…そんな演技じゃヤラセだって視聴者にばれちゃうよ!
秋田 落葉:台本なんてないと思ってここに来たのに…
ディレクター:いいから台本通りやってよ。いい?ここからのシーンはこうだから。
雪乃「起こしちゃってすみません」
落葉「いえいえ!ちょうど起きてリビングに行こうと思ってたので!」
雪乃「あの…」
と、落葉の腕をガッチリとつかむ。
雪乃「一緒にリビング…いきましょう…」
落葉「あ…もちろん…」
ディレクター:覚えたなー?はい、じゃあカメラ回すよ~
はい、カット!
ディレクター:みんな演技が不自然!
秋田 落葉:そっちが用意した台本だって不自然ですよ!
ディレクター:黙れ!次のシーン撮るから席にとっとと座れ!
座ったら、楽しく話してる感じの演技をしろ、そしたらそこにチャイムが鳴る。
すると、この番組MCのコリドール玲奈がやってくるはずだから驚け!
カット!
ディレクター:チャイム鳴った後、全員、気抜けてたぞ!やらされてる感が出てる!
秋田 落葉:ヤラセなんですもん。
ディレクター:お前、口答え多いな。出番減らすぞ。
秋田 落葉:…
冬山 雪乃:そういえば、次のシーンの台本は?
ディレクター:ない。実は今日来る予定だったメンバーが急病でここに来れなくなって、代わりのメンバーのキャスティングにもうバタバタだったんだよ!
で、キャスティングは下っ端に任せてたから俺自身も誰が来るのか知らないし、
当然、メンバーが変わるから用意してた台本も意味がなくなった。
だからとりあえず、あとはヤラセなしで自由にやっていいぞ。
冬山 雪乃:ここからは本当に台本のない生活を送れるんですね!
ディレクター:演出の指示は多少するけどね。
冬山 雪乃:あ、誰か来た!
ディレクター:はい、カメラ回すぞー!
第二話につづく
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